Just Becauseは""永遠""な件
あけおめ~~~~!!!!!!!
って言う相手がリアルでは家族以外にいなかった引きこもりオタクである・・・。
何はともあれ、今回はJust Becauseについて語り尽くす。
新年早々に去年のアニメを話すのは気が引けるけど、引きこもりオタクに年越しなんて関係ないし、遠慮なく語っていく。
最初に言うと、この記事はJust Becauseのアニメと小説の両方を踏まえてその違いに注目しながら語っていくから、小説を読んでない人にはネタバレになるかもしれない。
ここからは小説のネタバレを見ても構わないっていう人だけがスクロールして欲しい
(本音を言えば、Just Becauseという作品を120%味わうためにもぜひ小説を読んで欲しい)
では、オタク語りの始まり、始まり~。
まず、アニメと小説の両方に共通する、「Just Because」がなぜとんでもなく魅力的な作品なのか、僕なりに2つほど理由を語りたい。三角関係の面白さとかいろいろあるけど、個人的には「高校生のリアルな青春」を描いていて、「キャラがどこまでも利他的」だからだと思う。
〇高校生のリアルな青春
受験期という設定が特に上手かったし、LINE描写とか「等身大の高校生」を描くのが最高だった。あと、何気ない会話がとにかく上手い。
例えば、アニメ10話で夏目が泉のスマホの待ち受けが小宮であるのを見て思わず逃げ出してしまった後の「あたし、完璧本気じゃん」。
たった1つのセリフで夏目が泉への好意を自覚したのを、恋愛経験0の僕みたいな童貞でも理解できる。
他にも、4話のラストの初詣帰りで、夏目が受験を言い訳に陽斗を諦めようとしていることを泉が咎め、夏目に部外者扱いされた時の「・・・関係ないはないだろ・・・」。
夏目への気持ちを隠し続けていたけど、あまりの辛さに漏れ出た本音が最高すぎた。
これはほんの一例で、受験期の微妙な雰囲気の会話とかもめちゃくちゃ上手いし、彼ら彼女らの高校生活がリアルなのである。
だからこそ、彼ら彼女らの恋愛にテレビの前にいる僕みたいなオタクも感情移入できるし、失われた青春を取り戻せる。もう、最高のアニメである・・・まあ、僕は男子高だったから、青春は最初から存在しなかったんだけど・・・。
〇キャラの利他的精神
どういうことかと言うと、どのキャラも自分の損よりも他人のために行動できて、その不器用だけど誠実な人間性が見ていて心地良いのである。
試しに考えて欲しい。
「Just Becauseで好きなキャラを聞かれたら、誰が思いつく?」
僕は第一に小宮で、次に夏目を挙げる。でも、やっぱり主人公の泉だって好きだし、親友の陽斗も良い。
みんなはどうであろうか?
今言った主要キャラ以外を挙げる人もいるだろうし、必ず1人は思い浮かぶはずである。
では、今度は逆に聞きたい。
「1番嫌いなキャラはいた?」
僕は正直に言って、いない。本当にいない。泉たちがなかなか告白しないもどかしさはあったけど、嫌いにはならなかった。
みんなも同じだと思う。
このアニメは自分の得のために他人を傷つけるキャラがいないのである。
それどころが、自分の損よりも他人のためを優先するキャラばかりなのである。
1人ずつ解説していきたい。
まず、泉。
1番大きいのは夏目のセンターを助けたこと。夏目に対しては中学時代の生徒会の仕事も手伝っていた。
そして、小宮の写真許可の一件。小宮が知らないオッサンに写真撮影を咎められ警察沙汰になった時の話である。この時は「警察沙汰に関わる」「写真コンクールで大勢の前に自分を晒される」っていう自分の損よりも小宮のためを優先したのである。
これだけではない。親友の恋愛相談に乗ったのもそうだし、とにかく泉は他人のために動ける主人公なのである。
他のキャラも簡単に言うと、夏目は卒業式で式辞を読んだように高校では生徒会長の役目を果たしたし、中学の頃は生徒会で周りがやらない仕事を1人でやり、泉に「夏目って損な性格してるよな」と言われたほどである。
実際、泉の夏目が好きな理由は、こういう「不器用なところ」である(小宮に聞かれた時のセリフ)。
小宮は言うまでもない。泉のためにお守りを集め回ったり、卒業アルバムを作ってあげた。
サブヒロインの森川は、夏の野球大会の応援で精一杯野球部のためにトランペットを演奏したわけで、陽斗はそういうところに惚れた。
その陽斗は森川のために苦手な犬を克服しようとしたし、森川のためなら自分の損を顧みない一面があった。
他のキャラだって、夏目の友達は夏目の受験を陰ながら応援していたし、写真部の鉄オタだって小宮のために真剣に部活をやってその結果として写真コンクールで金賞をもらったのだと思う。
このようなそれぞれの利他性がこの作品の魅力だったと僕は思っているし、泉たちのその不器用さが異性を惹きつけたのであろう。僕もぜひ見習っていきたい・・・まあ、僕が見習おうとしても、実践できる相手は風俗だけなんだけど・・・・・・。
以上が、Just Becauseの魅力の解説である。ここからは、アニメと小説の違いについて語っていきたい。
まず、小説は1巻分で、これは平均的なラノベアニメなら3話分といったところ。それがJust Becauseでは12話もかけているのだから、アニメの方が内容が濃いのは当然で、アニメにはあって小説にはない要素の方が多くなる。小説は泉と夏目の恋愛が濃度99.9%で、それ以外の小宮や陽斗たちが一滴レベルと言っても過言じゃない。
ということで、まずはアニメにあって小説にない点を語っていきたい。簡単に言うと、小宮と、陽斗のそれぞれの描写はアニメの方が圧倒的に多い。詳しく語っていきたい。
①小宮が可愛すぎる!!!
はい、もうこれがこのアニメ最大の面白さだった。小宮が可愛くて応援したくなればなるほど、夏目に負けた最終回での慟哭が最高に感動できて泣ける。どれぐらい感動できるかって、恋愛経験のない童貞があたかも自分が失恋したかのような気分になるぐらい・・・酷い例えだが、それぐらいスゴいのである。
ところが、小説だと小宮の描写は驚くほど少ない。小説の小宮は、ランニング中の泉とコンビニで会わないし、バレンタインにチョコもお守りもあげない。そして、卒業式後の泉にフラれる所では涙を我慢して無理やり笑うところで終わり、アニメのような慟哭はない・・・明らかにアニメの方が最高である。
地味な所で行くと、アニメでは写真部の鉄オタ二人組の描写が多くて、小宮にとって写真部がちゃんとした居場所であることがよく分かり、小宮の写真部存続へのこだわりの強さがより自然に感じられる。これはかなり重要なことで、だからこそ、泉が小宮に写真の使用許可を出して写真部存続を助けた時は彼女にとって「泉=救世主」となり、好意の対象となるのである。
あとは、小説では小宮が泉のスマホの待ち受けを変えるシーンがない。必然的に、夏目の「あたし、完璧本気じゃん」も使われる場面が違う。アニメでは夏目が泉のスマホの待ち受けが小宮であるのを見た後にこのセリフがあった。ただ、小説ではどうなのか・・・これは、後述の小説の方が良かった点で詳しく語りたい。
②陽斗と森川って、何だかんだ言ってお似合いだよね
アニメは泉×夏目×小宮のサイドで、陽斗の恋愛も多くて面白かったけど、小説では陽斗と森川の直接的な絡みは尽くカットされている。
小説では陽斗が初詣にフラれたシーンはないし、森川が野球場で陽斗に真剣に再返事するシーンもない。全部、後から伝聞で教えられるだけである。
要するに、アニメの陽斗は優遇されているんだけど、じっくり描写されているからこそアニメを見ている僕らも陽斗に感情移入できて彼を理解しやすいし、その結果として、泉と陽斗の間における「陽斗を理解する泉」っていう親友の絆も身にしみる。
以上の、小宮と、陽斗の描写がアニメが小説よりも濃い点である。
ただ、小説の方が良い点もある。
それは、夏目と泉のそれぞれの心理描写。文字による情報量が多い小説の方が濃くて当然であるが、やはりここに関しては映像作品であるアニメは敵わない。
〇夏目の心理描写
1番大きいのは、「夏目の陽斗への““淡い初恋””が、どうやって泉への好意へと変化したのか」の心理である。
アニメだと、センター試験で助けてもらったのがきっかけであることは察するけど、気持ちの変化の瞬間というのは曖昧であった。
小説では、ここがはっきりしている。
結論から言うと、やはりセンター試験で助けてもらったのが最大のきっかけであった。ただその後の過程は小説の方が丁寧である。
まず、アニメにもあるが、センター試験帰りの電車で夏目が男女2人組を見るシーンがある。この時、夏目はその男の子が女の子の荷物を持つのを見て、中学時代の生徒会活動で泉に手伝ってもらったのを思い出す。
ここから、小説では、「今日のセンターも、中学の時も、泉はいつも自分のために損してきたって気がつく→泉が手伝うのはなぜなのか→自分への好意を察する」っていう流れがある。
ここが丁寧で、少し長い本文を引用すると
~夏目の心理~
「・・・(ずっと泉に助けられた事実を再認識した後)・・・あの頃(中学の頃)からそうだ。そんなことに今さらのように気づく。そこにどんな意味があるのかだって、もう分からない年齢じゃない。体がぽかぽかと熱を帯びていく。顔なんて熱いくらい。画面の消えたスマホには見たことのない表情をした自分が映っていた。うれしいような、恥ずかしいような、くすぐったいような、ちょっと楽しそうな顔。浮かれているような、戸惑っているような感じ。でも、基本、嬉しい。」
(『Just Because』p215~216より)
本当にため息が漏れる綺麗な文である。
この後はアニメと同じで、小宮から泉をデートに誘う宣戦布告をされ、思わず本能的に「ダメ」って言ってしまう。
そして、小説はここからアニメと異なる。小説では、泉と小宮がデートをする日に、夏目は途中でモノレールから降りて1人っきりになり、泉が自分以外の他の女の子の誘いを受けたことに対して泣きそうになるのである。
ただ、泣きそうになりながらも思わず頬が緩み、「あたし、完璧本気じゃん」と言って泣き笑いになる・・・なぜなら、泉への気持ちに気づけたことが、たまらなく嬉しかったから・・・・・・。
アニメでも場面は違えど、このセリフでは下の画像のような泣き笑いなのだが、なぜ笑ったのかがはっきりと分かるのだ。
以上が小説にあって、アニメにはない夏目の心理描写であった。
とにかく、丁寧すぎる。丁寧すぎて、童貞の僕でも女心が手に取るように分かる・・・。
〇泉の心理描写
泉は主人公だからアニメでも多いけど、1つ小説で印象的だったのは野球対決にかける想いである。
まず野球対決を振り返ると、
1回目:「ピッチャー泉、バッター陽斗。陽斗の森川の告白への願掛け」→陽斗のホームラン
2回目:「ピッチャー泉、バッター陽斗。陽斗が森川にフラれた後にLINEをもらうが、なかなか返事ができなかったことへの後押し」→陽斗のホームラン
3回目:「ピッチャー陽斗、バッター泉。泉が夏目に告白をする勇気付け」→泉のホームラン
ここで、小説では2回目の野球対決で泉は勝とうとしていたことがはっきりと明かされる。
アニメでもあるが、対決前に、陽斗がホームランを打って勝ったら森川との関係を何とかするが、「泉が勝ったらどうするのか?」って聞き、泉は「俺もはっきりさせる」って返す。
この「はっきりさせる」が何のことかは明言されないが、夏目への告白であると思う。
そして、小説では、泉は陽斗に勝つためにランニングやピッチングフォームの確認をやっていたことが明かされる。アニメでは説明されなかったと思うし、夜にランニングしていた理由が分かるのである。
これは個人的にめちゃくちゃエモかった。だって、この説明によって3回目の泉のホームランはとっても大きなものとなる。彼はただ告白の勇気を得ただけでなく、「それまで負け続けた陽斗への勝利」という成長ができたのだ。
僕はこういう成長エピソードが好きだから、たまらなかった・・・まあ、僕自身はいつまでもコミュ障のまま成長がないダメ人間なのだけど・・・・・・。
あと、アニメだと何でランニングしているのかがよく分からなくて、「こいつ、いきなり受験勉強を再開して頭がおかしくなったのか・・・走る暇あるなら勉強しろよ・・・」って思っていたから、ちゃんとランニングの意義があったのは良かった。
この野球対決以外ではラストの夏目との再会シーンも小説の方がエモいが、詳しく語るのはもはや無粋である。
以上が、小説の方が内容が濃かった点である。
こうやって、アニメと小説の共通点・相違点を語ってきたが、やっぱりアニメと小説の両方があって始めてJust Becauseという作品が完成するのだと思う。
もちろんアニメの方が内容は多く小説は補完的な内容だけど、読んで本当に良かった。
そして、最後に声を大にして言いたい。
「Just Becauseは最高!!!!!!!」
以上がオタク語りであった。アニメの良さはまだ語り足りない(小宮の可愛さや失恋の切なさとか)が、今回はこれで終わりにしたい。
恒例だけど、最後まで読んでくれた人がいたら、本当に、本当にありがとう~!!
これからもいろいろ書いていきたいから、次も読んでもらえたらめちゃくちゃ嬉しい。
では、また今度!!!